人間らしさを取り戻すことができた特別養護老人ホーム

家族が認知症になるとは考えてはいませんでした。主人の母が急激に認知症が進行し、火の不始末や徘徊をするようになり近所に迷惑をかけるようになりました。共働きの私たち夫婦には大学生の子供もおり一瞬は嫁である私が介護離職すべきかとも思いました。ですが義母には悪いのですが引き受けてくれる精神病院にとりあえず入院させました。


病院に入院した日、義理の母が別れ際に笑顔で「気をつけてかえりな。」と言ってくれ厄介払いした罪悪感もあって涙したのを覚えています。それから1週間後、感情表現できた母は無表情になり便所にも行けたのにおむつになり1か月もしないうちに寝たきりになり介助で食事をとるまで身体能力は低下しました。


そんな時、申し込んでいた特別養護老人ホームから空きが出たので入所できると連絡が来ました。私たち夫婦は精神病院より利用料金が安いことと、家から近いのですぐに面会にも行けるので義母を移しました。しかし親族には老人ホームは「姥捨て山だ。」と反対意見もありました。


ところが、老人ホームに移って1か月もしないうちに寝たきりの義母はベッドから車いすで過ごすようになり表情も出るようになりました。しかも、介助なしで食事ができず摂取量も減っていたのに自分でスプーンで自力摂取できるようになったのです。


めざましく回復する義母の姿に驚くばかりです。老人ホームの職員に感謝の気持ちを伝えると「ここは病院と違って生活の場なので、それを助けるのが介護者の私たちの役割です。」と言われました。生活の場とは家庭の生活と同じようにしてもらうことだそうです。おかげ様で義母は人間らしさを取り戻し感謝の気持ちでいっぱいです。